カミサマの傀儡

奉献ピアス

腐っていた夏休み

僕は何も知らなかった

埃っぽくて、なんとなく懐かしいような

「なんで廃ビルに電気が?」

少しだけ息がしやすいような気がした

「よう少年、アイス食うか?」

親や先生とも違うこの大人に安心した

君が今日食べたものの全てが

明日の僕は残さず食べよう

空に溺れて海へ飛ぶ

ごめんな僕にも意味があるなら

空気の海に溶ける

お前に未練など残さず

書いては消して

恋に恋するこの僕でも

優しい君が優しくないこと

君の左手、今はもう掴めないね

街がいつまでも眠らぬままだから

つられて僕も眠れなくなる

足の裏にひやりとなにか

床に貼られたタイルが欠けて

生きてゆく意味はまだみつからず

死なぬ言い訳ばかり考えて

君を焼き、上がる煙

今の僕の歩くスピード



胎の中

一次創作向けお題配布サイト

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