先輩の会話から漏れ聞いた
愛おしいなどとてもじゃないが
見せてくれない写真と照れ顔
あなたが過りしばし逡巡
迷って手にする薄めの口紅
それはまさしく恋のような
台所の冷たい床に腰を下ろして
いつか殺すと包丁を見る
グルグル丸眼鏡の量産型
花はきらめく夢の果て
詩作と逃避
待受が母親の男
コテコテの大人
声ばかり大きく
君のこと案外きらいだよ。
マスクの下の含み声
許してあげたくなるからずるい
「わかったふりをしてくれてありがとう」
カミサマに愛されている
苦しいから優しいんだね
重なる手と首
それはまるで絵画のような
君との最後の手紙
世界のはじまりの音
うるさいと言う君の声
おかしいのは君の方だろ
お前はいつもどこを見てるの
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